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横浜地方裁判所 昭和45年(ワ)135号 判決 1973年3月05日

原告

芦野圭宏

ほか一名

被告

株式会社落合産業

主文

被告は原告芦野圭宏に対して金六、八七三、〇二一円及び内金六、三一三、〇二一円については昭和四六年七月二〇日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。

被告は原告安田博に対しては金五七八、七一八円及びこれに対する昭和四五年五月一九日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。

原告らのその余の請求はいずれも之を棄却する。

訴訟費用はこれを一〇分し、その一を原告らの、

その余を被告の各負担とする。

この判決は第一、二項にかぎり、仮に執行することができる。

事実

原告ら訴訟代理人は、「被告は原告芦野圭宏(原告芦野という)に対し金七、七八三、六三五円及びこれに対する昭和四六年七月二〇日以降完済に至るまで年五分の割合による金員を、原告安田博(原告安田という)に対し金七二八、七一八円及びこれに対する昭和四五年五月一九日以降完済に至るまで年五分の割合による金員を夫々支払え。訴訟費用は被告らの負担とする。」との判決並に仮執行の宣言を求め、その請求の原因として次のとおり述べた。

一  本件交通事故の発生と原告らの受傷、原告両名は次の事故によつて傷害を受けた。

1  発生時 昭和四四年七月二五日午前一一時二〇分

2  発生地 藤沢市片瀬海岸三丁目二六番八号先路上

3  発生場所の状況

現場は、国道一三四号線(通称湘南ドライブウエイ)で、道路北側に歩道、南側に駐車場のある舗装された直線の道路で、いつも交通量は非常に多いが、歩行者は西浜歩道橋を利用するため交通信号は設けられていない。

4  被告車 大型ダンプトラツク(秋一そ六、四〇〇)

5  加害者 訴外鈴木(被告会社社員)

6  原告車 乗用車(ポンテイアツク多摩三M三、二五七)所有者、府中空軍基地勤務リチヤード・M・ヘアー

7  事故の状況

原告らは、原告車を運転して鎌倉方面から平塚方面にかけて進行中、前記西浜歩道橋付近でパンクしたので、原告車を道路左端に停車し、原告芦野がパンクした右後輪を見に行つたとき、訴外鈴木が被告車を運転して時速約八〇粁の速度で先行ダンプトラツクの約四米あとを追随し、先行トラツクは原告らを避譲したが、訴外鈴木は突嗟のことであるので避譲出来ず追突し、原告車と原告らを約三〇米引きずつて停止し、原告両名が受傷し、原告車は大破し廃車となつた。

8  原告芦野の傷害

右下腿挫滅複雑骨折、右足関節複雑骨折挫滅創、顔面右肩右胸部右上肢背部腰部擦過挫傷

9  原告安田の傷害

頭部顔面挫創傷、外傷性シヨツク右上肢挫創及び右足関節捻挫

二  被告の責任

1  訴外鈴木は、昭和四三年一一月六日頃から同四四年一〇月二三日まで被告会社に雇傭され勤務していたものである。訴外鈴木は被告車を所有していたので、被告車を持ち込んで被告会社の業務の用に供し、運行回数に応じて賃金を得る約束で就職し、被告会社の指揮命令に従つて被告東を運転し、被告会社の業務に従事していた。給与は、運転数に応じた出来高払いで、毎月二〇日現在の出来高相応の賃金を翌月二〇日に支払うというものであつた(但し、以上の給与は昭和四三年一一月六日頃から翌四四年七月二五日までであつて、その後は、一日金二、二〇〇円の日給で道路清掃に従事してきた。)。

2  本件交通事故当日は、被告会社現場責任者松本の指揮命令に従つて横浜市六浦から藤沢市鵠沼まで土砂の運搬をしていたもので、事故時は六浦から鵠沼に向う途中であつた。

3  以上のとおり、被告会社は被告車について運行支配と運行利益を有していたものであるから、人損については、自賠法第三条の保有者責任の規定により賠償義務を負うものである。又、被告会社は訴外鈴木の雇主として、民法第七一五条により物損についても損害賠償責任を負わなければならないものである。

三  損害

1  原告芦野の分

(一)  入院治療費 金二、一〇七、一五〇円

(二)  付添費 金一七七、五八〇円

(三)  診断書作成料 金六〇〇円

(四)  義肢代関係費用 金六六、二五〇円

(五)  原告芦野の母による付添費相当額

昭和四四年一〇月二二日から同四五年五月一一日まで二〇二日間、一日金一、〇〇〇円として合計金二〇二、〇〇〇円

(六)  入院雑費

入院二一ケ月間、一ケ月金六、〇〇〇円として合計金一二六、〇〇〇円

(七)  休業損

昭和四四年八月から同四六年五月までの休業損害の合計金五五〇、四六五円

(八)  逸失利益

休職していなければ当然支給されるべき給与最低額は、月額金四九、〇四〇円で、復職によつて認定された給与月額は金四六、六四〇円であつたので、毎月の逸失利益はこれが差額の金二、四〇〇円となる。

原告芦野が、復職時二四歳九ケ月であつたので、六〇歳まで稼働するものとすると、稼動期間は三五年間となる。よつてホフマン式現価指数を一九・九一七四として、次の算式によつて現価を算出すると金四七三、五九〇円となる。

金2,400円×12ケ月×19.9174=金473,590円

(九)  慰藉料 金三、九二〇、〇〇〇円

原告芦野は、昭和四四年七月二五日から同四五年五月一二日まで別府病院に、同日から同年一〇月二二日まで、更に、同年一一月二二日より同四六年五月三一日まで湯河原厚生年金病院に合計二一ケ月入院したので、一ケ月の慰藉料を金一〇〇、〇〇〇円とすると慰藉料の合計は金二、一〇〇、〇〇〇円となる。

なお、原告芦野は、昭和四五年一〇月二三日から同年一一月二一日までの約一ケ月間湯河原厚生年金病院に通院した。この期間の慰藉料は金五〇、〇〇〇円が相当である。

原告芦野は、右下腿を膝下にて切断し、自賠法施行令後遺障害等級表の第五級三号に該当するから、これが慰藉料の額は金一、七七〇、〇〇〇円である。

(一〇)  自賠責保険による損害填補金五〇〇、〇〇円

(一一)  弁護士費用 金六六〇、〇〇〇円

着手金 金一〇〇、〇〇〇円

報酬 金五六〇、〇〇〇円

2  原告安田の分

(一)  入院治療費 金二三三、一五四円

(二)  慰藉料 金三八〇、〇〇〇円

(三)  休業補償 金七四、三八九円

原告安田は、勤務先大森電機工業株式会社から一ケ月平均金三一、八八一円の収入があつたので昭和四四年七月二五日から同年一〇月五日までの賃料相当額を請求する。

(四)  交通費 金九、三二〇円

原告安田の通院及び家族の見舞のための交通費

(五)  入院雑費 金一〇、八〇〇円

入院五四日につき一日金二〇〇円の割合による入院雑費

(六)  原告車の破損による損害(物損)

原告安田は、アメリカ空軍府中基地所属軍曹リチヤード・M・ヘアー所有の原告車を預り保管中であつたが、本件交通事故によつて完全に破損し廃車するに至つたものである。

原告安田は、右リチヤード・M・ヘアーから車両損として四〇〇ドル金一四四、〇〇〇円相当の損害賠償請求を受けこれが義務を負うに至つた。しかし、本件事故は専ら訴外鈴木の責任によつて生じたものであるから、被告会社は民法第七一五条により損害賠償の責任を負うものである。

(七)  損害填補

ところで、原告安田は、強制保険から金二四二、九四五円の支払を得たので、入院治療費に金二三三、一五四円、慰藉料に金九、七九一円を夫々充当した。

(八)  弁護士費用 金一二〇、〇〇〇円

四  よつて、原告芦野は被告に対し金七、七八三、六三五円及びこれに対する本件不法行為のあつた日より後であること明らかな昭和四六年七月二〇日以降完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の、原告安田は被告に対し金七二八、七一八円及びこれに対する右同様本件不法行為のあつた日より後であること明らかな昭和四五年五月一九日以降完済に至るまで同法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を夫々求めるため本訴請求に及んだものである。〔証拠関係略〕

被告訴訟代理人は、「原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。」との判決を求め、原告ら主張の請求原因事実中、訴外鈴木が被告車を所有し、事故当日横浜市六浦から藤沢市鵠沼まで残土を運搬していたことは認めるが、その余の事実はすべて争うと述べた。

被告会社の責任について次のとおり主張した。

一  訴外鈴木は被告車を所有し、鈴木建材なる名称の下に独立の営業をなしていたもので、被告会社と訴外鈴木とは土砂運搬等の請負の関係にある。

二  即ち、訴外鈴木は、被告会社の作業現場から他所への土砂の運搬を請負い、毎月二〇日しめ切で、前月二一日以降同月二〇日までの運賃につき、被告会社に請求書を提出して、被告会社は毎月二〇日に一ケ月間の運賃をまとめて支払つていたもので、訴外鈴木が一日のうちにどの程度の仕事をするかは全く訴外鈴木の自由であり、自己の都合で休むことも、早く仕事を切上げて帰ることにも何等の制限もなかつた。

三  勿論被告会社の仕事の下請けをしているのであるから、被告会社との間で当日の仕事について、その指示打合せを行うのは当然であるが、被告会社の者が同乗するようなことも指揮命令したような事実もない。

四  従つて、訴外鈴木は被告会社とは別個独立した営業主体であり、被告車の運行利益及び運行支配権はいずれも訴外鈴木に専属しているので、被告会社は運行供用者に該当しない。〔証拠関係略〕

理由

一  〔証拠略〕によると、原告らは本件交通事故発生当日の昭和四四年七月二五日午前一一時二〇分頃原告車を運転して鎌倉方面から平塚方面に向けて進行中、藤沢市片瀬海岸三丁目二六番八号先の西浜歩道橋付近で右後輪がパンクしたので、道路の左のグリーンベルトのわきに停車し、原告芦野が右後輪を見に行つたとき、同じく鎌倉方面から平塚方面に向け、訴外鈴木が被告車を運転して右現場にさしかかつた。そのとき、訴外鈴木は、先行していたダンプカーとの間に車間距離をほんのわずかしかとつていなかつたため、先行するダンプカーが原告車を避けるため急に右に進路をかえた際、はじめて原告車の存在を発見し、あわてて右にハンドルを切つてこれを避けようとしたが間に合わず追突し、原告車を大破して廃車となし、原告芦野に対しては、右下腿挫滅複雑骨折、右足関節複雑骨折挫滅創、顔面右肩右胸部右上肢背部腰部擦過挫傷の傷害を、原告安田に対しては、頭部顔面挫創傷、外傷性シヨツク、右上肢挫創傷及び右足関節捻挫の傷害をそれぞれ与えたことが認められる。自動車の運転者は、先行車に追従する場合先行車との間に適当な車間距離をとつて、進路前方をよく見透し、進路前方の障害物を安全に回避できる速度と方法で運転しなければならない注意義務があるところ、右の認定事実によると、訴外鈴木はこれが注意義務を怠り本件交通事故を惹起したものであるから、これに過失があること明白である。

二  〔証拠略〕によると、訴外鈴木は、秋田県北秋田郡合川町新田目字屋布岱七一番地において、田一反一畝、畑一反を耕作して農業に従事しているものであるが、冬季に仕事がなくて現金収入がないため、かねがね出稼に出たいと思つていた。ところが、被告会社に以前勤めたことのある友人のすすめがあつたので、昭和四三年一一月六日秋田から藤沢に出てきて被告会社の宿泊所に住み込み(宿泊料一ケ月金二、五〇〇円食事代一日金三七〇円、いずれも賃金より天引)、自分の所有する被告車(訴外鈴木が被告車を所有することは争いがない。ガソリンは被告会社で給油しその代金を賃金より天引、車両の修理代は自己負担)をもちこみ、これを運転して残土の運搬に従事するようになつた。賃金は毎月二〇日締切で翌月二〇日に支払う出来高払制であつた。ところが、昭和四四年七月二五日、現場の責任者松本の命令で、午前七時頃より横浜市六浦の積込現場から藤沢市鵠沼の埋立現場まで残土運搬に従事し、午前一一時頃第四回目の残土運搬のため横浜市六浦を出発し藤沢市鵠沼に向う途中(訴外鈴木が当日横浜市六浦から藤沢市鵠沼まで残土を運搬していたことは当事者間に争いがない。)本件交通事故を惹起したことを認めることができる。右認定に反する証人大沢幸雄の証言部分は信用できない。

右の認定事実によると、訴外鈴木は秋田から出稼にきた、いわゆる、車持ち季節労務者であり、被告会社の宿泊所に住み込み、被告会社の仕事に専従し、被告会社の現場責任者の指揮の下に残土運搬等に従事していたのであるから、被告会社の臨時労務者(被用者)と推認するを相当とし、被告会社の仕事を請負つていたものとは解されない。

〔証拠略〕によると、これらの書面には鈴木建材との記載があることが認められ、また同証言によると、被告車に鈴木建材と記載されていたことが認められるけれども、これらの事実によつて、右認定を動かすことはできない。

三  そうすると、被告会社は被告車について運行支配と運行利益とを有しており、かつ、訴外鈴木の使用者であるから、自賠法第三条、民法第七一五条によつて、原告らの被つた損害を賠償しなければならない。

四  損害

1  原告芦野の分

(一)  入院治療費

〔証拠略〕によると、治療費として合計金二、一〇七、一五〇円を支出せざるを得なくなつたことが認められる。

(二)  付添費

〔証拠略〕によると、看護婦須田和子に対して付添費として合計金一七七、五八〇円を支払つたことが認められる。

(三)  義肢代関係費用

〔証拠略〕によると、義肢代関係費用として合計金六六、二五〇円を支払つたことが認められる。

(四)  診断書作成料金

〔証拠略〕によると、診断書作成料金として合計金六〇〇円を支払つたことが認められる。

(五)  原告芦野の母による付添費相当額

〔証拠略〕によると、原告芦野の母は、昭和四四年一〇月二二日から同四五年五月一一日までの二〇二日間、別府外科病院に入院中付添をしたことが認められる。

しかしてこれが一日の付添費を金一、〇〇〇円として計算すると、その合計は金二〇二、〇〇〇円となる。

(六)  入院雑費

〔証拠略〕によると一五ケ月間入院していたことが認められる。よつて、一ケ月の入院雑費を金六、〇〇〇円とすると、これが合計金九〇、〇〇〇円となる。

(七)  休業損

〔証拠略〕によると、原告芦野はその勤務先である日本真空技術株式会社を昭和四四年七月二五日より同四六年五月三〇日まで欠勤し、合計金五五〇、四六五円の得べかりし利益を喪失したことが認められる。

(八)  逸失利益

〔証拠略〕によると、休業しなければ支給されるべき給与月額は金四九、〇四〇円で、復職によつて認定された給与月額は金四六、六四〇円であるから、毎月の逸失利益はこれが差額の金二、四〇〇円であることが認められる。

よつて、前記勤務会社に将来三〇年間稼働するものとし、ホフマン式計算によつて現価を算出すると金五一八、九七六円となる。

金2,400円×12×18.02(30年のホフマン式係数)=金518,976円

(九)  慰藉料

本件交通事故の原因、態様、傷害の部位、程度、治療経過、後遺障害、その他諸般の事情を斟酌すると、慰藉料の額は金三、〇〇〇、〇〇〇円が相当である。

(一〇)  損害填補

以上の損害の合計は金六、七一三、〇二一円であるが、原告芦野は自賠責保険から金五〇〇、〇〇〇円の保険金の給付を受けているのでこれを控除すると、残額は金六、二一三、〇二一円となる。

(一一)  弁護士費用

本件訴訟の難易、請求額、認容額、その他諸般の事情を斟酌すると、弁護士費用は着手金一〇〇、〇〇〇円、報酬金五六〇、〇〇〇円、合計金六六〇、〇〇〇円が相当である。

2  原告安田の分

(一)  治療費

〔証拠略〕によると、治療費として合計金二三三、一五四円支払つたことが認められる。

(二)  休業損

〔証拠略〕によると、一ケ月の平均収入は金三一、八八一円であるところ、昭和四四年七月二五日から同年一〇月五日まで本件交通事故による前記傷害のため休業を余儀なくされたことが認められるから、休業損の合計は金七四、三八九円となる。

(三)  交通費

〔証拠略〕によると、原告安田の通院、家族の付添のための交通費として金九、三二〇円を支出したことが認められる。

(四)  入院雑費

〔証拠略〕によると五四日間入院したことが認められる。入院一日につき雑費を金二〇〇円とすると、入院雑費の合計は金一〇、八〇〇円となる。

(五)  慰藉料

本件交通事故の原因、態様、傷害の部位、程度、治療経過、その他諸般の事情を斟酌すると、慰藉料の額は金二五〇、〇〇〇円が相当である。

(六)  原告車の破損による損害

〔証拠略〕によると、原告安田は、アメリカ空軍府中基地所属軍曹リチヤード・M・ヘアーからその所有の原告車を預り、修理工場にもつて行く途中、本件交通事故のため完全に破損したため、右リチヤード・M・ヘアーから車両損として四〇〇ドル、金一四四、〇〇〇円相当の損害賠償請求を受けていることが認められる。

しかして本件交通事故は前記認定のとおり、訴外鈴木の一方的過失によつて生じたものであり、又〔証拠略〕からして、原告車の客観的価格及び損害賠償請求の金額はいずれも相当のものと認められるから被告は金一四四、〇〇〇円の賠償をしなければならない。

(七)  損害填補

以上損害の合計は金七二一、六六三円となるが、原告安田は強制保険から金二四二、九四五円の支払を得て、入院治療費に金二三三、一五四円、慰藉料に金九、七九一円を夫々充当したものと主張するから、右損害額からこれらを控除すると残額は金四七八、七一八円となる。

(八)  弁護士費用

本件訴訟の難易、請求額、認容額、その他諸般の事情を斟酌すると弁護士に対する報酬は金一〇〇、〇〇〇円が相当である。

五  そうすると、被告は原告芦野に対して金六、八七三、〇二一円及びこれから報酬金五六〇、〇〇〇円を控除した内金六、三一三、〇二一円に対して本件不法行為のあつた日より後であること明白な昭和四六年七月二〇日以降完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払う義務がある。又、被告は原告安田に対して金五七八、七一八円及びこれに対する本件不法行為のあつた日より後であること明白な昭和四五年五月一九日以降完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金を支払う義務がある。

よつて、原告らの本訴請求は右の限度において正当であるからこれを認容し、その余は失当として棄却する。訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条、第九二条、第九三条を、仮執行の宣言につき同法第一九六条を各適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 石藤太郎)

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